Iさんという女性から聞いたお話。
彼女は料理が趣味で、ほぼ毎日台所に立っているそうだ。
ある時Iさんが天ぷらを揚げていると、急に鍋の中から手が伸びてきて彼女の手を掴み「グッ」っと鍋の中に引き込もうとしたという。
「あの時は熱かったわぁ」
そういって口に手を当てて爆笑しているIさんの手首には、古い火傷のあとがはっきりと残っていた。
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